NPO法人の設立手順
◇ 設立する前に「ちょっと一息」 ◇ ←NPO設立前に要チェック!- NPO法人設立のメリット
- NPO法人設立のデメリット
- NPO法人で会社と同じように事業展開は可能か?
- 失敗しないNPO法人設立講座(ボランティア型NPO法人用)
- 失敗しないNPO法人起業マニュアル(事業型NPO法人用)
1.NPO法人の基本事項の検討
まず最初にNPO法人設立に必要な事項を決定していきます。
この段階で最低限検討(決定)するべき事項は下記のとおりです。
- 社員(正会員)を10名以上集める
- 役員(理事・監事)の目処をつけておく
- 設立代表者を決定する
- 法人名を決定する
- 法人設立の目的をまとめておく
- 事業内容・活動内容が法律の基準を満たしているか検討する
- 事業内容・活動内容を決定する
- 主たる事務所(従たる事務所)の位置を決定する
- 会員の種類を考え、入会金・会費の額を決定する
- 事業年度を決定する
- 法人の運営方法を決定しておく
- 活動を行うためにどれぐらいの資金が必要か計算する
- 決定事項が法律に違反していないかチェックする
2.設立趣旨書を作成する
「1」で基本事項の検討が終わったならば
「なぜNPO法人を設立するのか?」
「NPO法人でどの様な活動をしたいのか?」
といったNPO法人設立の趣旨を説明する設立趣旨書を作成します。
3.定款を作成する
NPO法人の組織や運営についての規則を定めた「定款」を作成します。
「1」で決定した基本事項を定款に正確に記載していき、正式に決定します。
4.事業計画書・収支予算書を作成する
「1」で決定した基本事項を基にして事業計画書・収支予算書を作成していきます。事業計画書・収支予算書は「設立初年度」と「翌年度」の2期分が必要です。
5.役員就任予定者の住民票を集める
所轄庁に認証申請を行う際に「役員(理事・監事)の住民票」が必要になります。「1」で誰を役員にするのか決定したならばすぐに、役員就任予定者に住民票を用意してもらいましょう。
6.社員名簿・役員名簿を作成する
「1」で決定した社員(正会員)、役員(理事・監事)の名簿を作成します。役員の正確な住所・氏名は「5」の住民票で確かめることができますが、社員の住所・氏名も住民票どおりに記載することが原則となっています。あらかじめ社員の方に聞いておきましょう。
7.設立認証申請書を作成する
設立認証申請書を作成します。「1」で基本事項の検討をきちんと済ませ、「3」で定款を完成させているならば、簡単に作成できます。
8.所轄庁の担当者と事前に打ち合わせを行う
「2」〜「7」で作成した書類を設立総会前に一度所轄庁の担当者に見てもらいましょう。不備な点があれば指摘してもらえます。
9.設立総会を行う
書類を所轄庁に提出する前に社員を集め、「2」〜「8」で作成した書類をすべて見せ、「この内容で所轄庁に提出しますが、よろしいでしょうか?」と確認を取ります。承諾を得られましたら申請書類の完成です。
また、この設立総会で正式に理事・監事を選任します。選任された理事・監事は「就任承諾及び誓約書」を設立代表者に提出します。
「この団体は暴力団などの関係団体ではありません」という確認も設立総会で行います。
10.所轄庁に設立認証の申請を行う
所轄庁へ設立認証申請書類を提出します。書類は、形式上の不備がなければ受理されます。ただし、一回で受理されることは難しく、通常、3〜4回所轄庁に足を運ばなければならないと思っていてください。書類作成後、所轄庁の職員に事前チェックしてもらっているならば比較的簡単に申請書類は受理されます(ただし事前チェックで2〜3度所轄庁に足を運ぶことになるとは思いますが)。
設立認証申請も予約制としている所轄庁が多いので、あらかじめ電話などで問い合わせておくことが大事です。
11.所轄庁にて2ヶ月の縦覧・約2ヶ月かけての審査
所轄庁に受理されると2ヶ月間、一般の人に縦覧されます。縦覧が終わると所轄庁による審査が行われ、所轄庁に書類を受理されてから原則として2ヶ月以上4ヶ月以内に認証又は不認証が決定されます。
審査は、原則として書類審査ですが、審査中に確認のために電話で聞かれることもあります。
12.認証・不認証の決定
設立の手続、申請書・定款の内容が法令の規定に適合しており、法の定める要件を満たしているかどうかを審査した結果、認証又は不認証の決定が行われます。
認証された場合は認証書が送られてきます(「○月○日に取りに来てください」と連絡が入る都道府県もあります)。不認証だった場合は理由を記した書面が送送付されてきます。不認証だった場合は修正して再申請することはできますが、もう一度縦覧と審査を受けることが必要です。
13.設立登記の申請
登記されてはじめてNPO法人として成立します。認証後2週間以内に主たる事務所の所在地で、設立の登記を行わなければいけません。
ちなみに従たる事務所がある場合は、その所在地で事務所設置登記を、主たる事務所の登記日後2週間以内に行う必要があります。
登記申請の際、登録免許税はかかりません(つまり無料です)。
これらの登記を怠った場合は、科料に処せられるので注意しましょう。
14.NPO法人の成立
主たる事務所の設立登記が完了すると、正式にNPO法人として成立し、法人としての権利と義務が発生します。
主たる事務所の設立登記が終わったならば遅滞なく所轄庁に「設立登記完了届」を登記簿謄本謄本を添付して出さなければいけません。
15.官公署への届出
NPO法人設立後、関係する官公署(税務署など)への届出が義務づけられています。NPO法人の登記申請が受理されたら、早速準備を始めましょう。
〜おまけ〜
登記手続き完了後にまずすべき事
以上、設立の流れを説明して参りましたが、NPO法人は他の法人(会社など)に比べて非常に手間と時間がかかります。「一般の人がNPO法人を設立するのには8ヶ月から1年かかる」と言われているのも、上記の決定事項の多さ、書類作成の量を見ていただければ納得していただけると思います。
設立認証だけでなく、登記手続やその後の手続など、とにかくNPO法人をつくるとこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、書類の雛形は、所轄庁(都道府県庁や政令指定都市の市役所)に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、所轄庁によってはwebサイトから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。
そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、弊社のサービスをご利用ください。
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行政書士法人甲子園法務総合事務所 代表
【藤井 達弘】
NPO設立・運営支援コンサルタントとして皆様のNPO設立をバックアップいたします。
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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。
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