NPO法人の事業内容・活動内容を決定しよう


 まず事業計画で決めなければいけないことは、
  1. 事業名
  2. 事業の内容
  3. 実施予定日
  4. 実施予定場所
  5. 従事者数
  6. 受益対象者の範囲及び受益者数
  7. 収入見込み
  8. 支出見込み
この8項目を決めなければいけません。
上記項目を決める際の注意点を述べていきます。

1.事業名

@誰が見ても内容がわかる(想像できる)事業名にする。

上で書いたことは基本中の基本です。
例えば、「Meet the Grove」という事業があります。外国に住む日本人と小中学校とをインターネットで結び、外国の生の情報を日本の教室に伝えるという、教育関係者にはおなじみの事業らしいのですが、教育関係者以外には何のことだかさっぱりわかりません。この場合、「国際理解学習推進事業」というように事業名を変更します。


A事業を限定しすぎない。

 何をするのか一目瞭然で非常にわかりやすい事業なのですが、ここまで限定してしまうと「カラオケ大会」「弁論大会」「ファッションショー」しかできないことになってしまいますので(NPO法人は定款に書かれた事業以外は行うことができません)、「高齢者が主役・主人公となって演じ・発表するステージ・イベントの企画・制作支援事業」というように置き換えます。こう書いておけば上記3つのイベント以外でも行うことが可能になります。カラオケ大会や弁論大会・ファッションショーは事業内容に書くべき事項です。

 逆に事業対象を広げすぎてもいけません。
「ステージ・イベントの企画・制作支援事業」では誰を対象にして事業を行うのか全くつかめないため、「対象を限定するように」と所轄庁から変更を求められます。


B役所の許認可が必要な事業は要注意

 飲食店の経営や介護事業など役所の許認可が必要な事業は、好き勝手に定款の目的を書くわけにはいきません。定款目的の書き方が決まっている場合が多いのです。

 例えば介護事業の場合、どの介護事業を行うのかはっきりと限定しておかなければいけません。「訪問看護などの居宅サービス事業」ではなく「訪問介護事業」「通所介護事業」と限定しなければいけません。介護保険の適用事業者の指定を受けたいと考えるならば「介護保険法による訪問看護事業」と記載したほうがいいでしょう。

 許認可が必要な事業を行う場合は、
  1. 会社「目的」の適否判定事例集などを購入し、参考にする
  2. 許認可の申請を行う役所に「定款の事業内容の書き方はこれでいいですかね〜」とあらかじめ聞いておく
ことが大切です。

C情報提供事業を忘れずに!

 事業の種類には必ず「情報提供事業」を必ず入れておいて下さい。この記載があれば、ホームページの作成や会報・機関誌の発行などができるようになります。

 (例)
  1. 介護保険法による居宅介護支援事業
  2. 介護保険法による通所介護事業及び介護予防通所介護事業
  3. 福祉、介護に関する調査及び相談に関する事業
  4. 高齢者を対象とした交流会、講演会の企画及び運営
  5. 福祉及びまちづくりに関する情報提供事業(上記事業に関する情報提供事業でもよい)

2.事業の内容

 「1」で決めた事業の内容を記載します。
「1」のちょっと漠然とした事業のイメージを具体的にどの様なことを行うのかと記載して、誰にでも何を行っているのかということをわからせます。

 例えば上で述べた「国際理解学習推進事業」ならば
「外国に住む日本人と小中学校とをインターネットで結び、外国の生の情報を教室に伝える」という事業内容になります。

 「神戸市北区の六甲山系を対象にした環境保全事業」ならば、「森林整備、ハイキングコースの整備、清掃等による環境保全活動」という内容が考えられます。

 「介護保険法による居宅介護支援事業」ならば「高齢者に対するケアプラン・介護サービスの提供」というように記載すればいいでしょう。


3.実施予定日

 事業の実施予定日を記載します。「●月○日」と限定する必要はなく、「●月頃」とだいたいの日時を記載するだけでOKです。
 随時行う事業で日時の限定が難しいときは「●月〜○月」と書いておけばいいですし、「随時」とか「通年」でも構いません。


4.実施予定場所

 事業をどこで行うのかを記載します。
事務所で行う事業ならば「事務所」や「事務局」となります。セミナーなどを行う場合は「兵庫県内の貸会議室」というような感じで書いておけばいいですし、介護事業のように広い地域でサービスを提供するならば「兵庫県南部」や「阪神地区」というように記載して下さい。


5.従事者数

 何人の人がその事業に従事するか記載します。頭の中で考えている従事者数をそのまま書いておいて下さい。適当に書いておいてもよほどヘンな数字を書かない限り所轄庁から何か言われることはありません。


6.受益対象者の範囲及び受益者数

 サービスを受けることができる対象者はどの様な人で何人いるのか、と記載しなければいけません。
 例えば兵庫県南部で介護事業を行うならば
   「兵庫県南部に住む高齢者、約50人」
というように記載します。

 上のようにサービスを受ける人が限定されている場合は簡単に書けるのですが、環境保全事業になると受益者が特に限定されていないので、「誰が受益者?」と首を傾げてしまいます。こういった場合は
   「神戸市北区○○地区及びその周辺の住民」
というように実際に環境保全事業を行う地域の住民が受益者になるように書いておけば特に問題はありません。

 また、ここで大切なことは「サービスの対象者が不特定多数に開かれていなければならない」ということです。会員間でしかサービスを提供していない、ということはNPO法人では許されません。これは、サービスの対象者があらかじめ限定されていたり、特定されていたりすると、NPOとしての趣旨からはずれ、単なる親睦団体や互助会になってしまうと考えられるからなのです。NPO法人は「不特定多数の人を対象に活動し、公益の増進に寄与していること」が設立のための条件なのです。

 ここでよく問題になるのは、会員同士で相互扶助的な活動を行っている団体の場合です。この場合、

がNPO法人格取得のカギになります。主たる活動は一般に開かれていて、従たる活動として会員向けのサービスを行っているものなら開かれているといえるのではないでしょうか。


7.収入見込み

 頭の中で考えている収入の予測をそのまま書いて下さい。あくまで予想・予定ですので。


8.支出見込み

 頭の中で考えている支出の見込みをそのまま書いて下さい。ここでいう支出は「その事業に関係する人件費や経費など一切を含めたもの」になります。
支出が想像もつかない場合は「収入の7割」ぐらいを支出にしておけばいいと思います。


重要項目
収益事業って何だ?

 NPO法人は原則として本来の目的である「非営利事業」しか行うことができません。しかし、本来行うべき「非営利事業」の妨げにならない程度ならば、本来の目的である事業とは全く関係のない「利益の追求」を目的とする事業を行うことができます。これが収益事業と呼ばれるものです。

たとえば砂浜の自然環境を守る為に清掃活動を行っているNPO法人があるとします。自治体から砂浜の清掃を委託されていたり、助成金などをもらっていない限り、砂浜を清掃してもお金はもらえません(すばらしい活動なのですが)。しかしながら、どんな活動をするにしても「経費」は必ず発生します。清掃活動ならば「ゴミ袋代」「集めたゴミを引き取ってもらう費用」「参加者に配る飲み物代」などです。

会費や寄付金でこれら経費を賄えればいいのですが、世間はそれほど甘くありません。もともと日本には「寄付を行う」という風習自体がありませんので、寄付金・会費が全く集まらないわけではありませんが、目標とする金額を集めるのにかなり苦労することになります。

こういった「法人設立の趣旨に基づく活動を行うだけでは活動に必要な資金を獲得することが難しい団体」の為に、本来の目的である清掃活動・自然保護活動の妨げにならない程度ならば、活動費用を稼ぐ為の、設立趣旨とは全く関係のない事業を行ってもOKです、というのが『収益事業』なのです。

 収益事業はあくまでも本来の目的である非営利事業の補完的なものでなくてはなりません。ですから非営利事業全体の支出総額を上回るような活動はできません。

 収益事業は定款に記載さえしてあれば、事業の内容は公序良俗に反しないもの・本業の活動の妨げにならないものならほぼ何でもできます。福祉の団体がパソコンを作って売っても、環境の団体がエステサロンをサイドビジネスとしてやっても本来行う事業に支障をきたさない限りかまいません。

 しかし、それらの事業で発生する利益は、全て本来の非営利事業に当てることになり、利益を役員や社員で分配することは一切できません。(給料やボーナスなどの人件費は経費として認められています)


 最後に、NPOだから活動がすべて無料というわけではありません。活動によって利益が生じても、それが個人に配分されない限り問題ありません。
NPO法人を設立する事は、事業を興すことに他なりません。設立者は、会社を設立するのと同じ『起業家』です。どのような活動・事業に将来性があるか、採算性なども、十分検討しなければならないのです。どんなに世のため人のための活動であっても、いつも採算度外視で、持ち出しばかりの団体では当然長続きしません。


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NPO法人の事務所所在地の決定

NPO法人設立手続は甲子園法務総合事務所にお任せ下さい

 NPO法人設立認証を申請するには、このwebサイトで説明しているように、非常に多くの書類を作成しなければなりません。設立認証だけでなく、その後の手続など、とにかくNPO法人を設立するとこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、書類の雛形は、所轄庁(都道府県庁や政令指定都市の市役所)に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、所轄庁によってはwebサイトから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。

 そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

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