NPO法人の運営方法を決定しよう
NPO法人の最高意思決定機関は社員総会です。よって、NPO法人の解散や合併の決議、定款変更の決議等重要事項の決議は総会でしか行えません。しかし、事業計画や収支予算の作成・変更、年会費や入会金の金額の変更・決定等の運営方法は定款に定めることにより、総会・理事会のどちらでも決定が可能になります。
ここで決めて頂きたいのは下記の事項です。
- 事業計画や収支予算
- 入会金や会費の金額
- 役員の職務や報酬について
- 借入金等義務の負担や権利放棄について
- 事務局の組織や運営について
事業計画や収支予算は総会で決定しますか?
理事会で決定しますか?
事業の計画や予算は理事会で話し合って決めますか? それとも総会でみんなで話し合って決めますか? 総会で決めると事業計画を変更するたびに総会を開かなければいけなくなるので弊社では理事会で決定することをお勧めしております。NPO法人で本格的な事業展開を考えている場合は必ず「理事会決議」にしておきましょう。
入会金や会費は総会で決定しますか?
それとも理事会で決定しますか?
総会で、皆で話し合って決めるのが最も民主的な決定方法ですが、会費の値上げをする場合等会員の負担が増加するような議決は、まず承認されないと思います。この項目も理事会で決定したほうがいいと弊社は考えます。
役員の職務や報酬は総会で決定しますか?
それとも理事会で決定しますか?
総会で、皆で話し合って決めるのが最も民主的な決定方法ですが、会が大きくなってくると、自分たちの思うように役員を配置できなくなったり、報酬額の増減が否決されたりと、何かと不都合が生じてきますので、これも理事会で決定したほうがいいでしょう。
なお、役員報酬の金額の決定権は総会の議決しか認めない所轄庁もありますのでご注意下さい。
借入金等義務の負担や権利放棄の決定権は総会に与えますか? 理事会に与えますか?
借金などの決定権や債権放棄の決定権をどちらに与えるか、ということです。NPO法人の場合、銀行などの金融機関からお金を借りる場合、理事数人が連帯保証人にならないと融資してもらえません。なので、理事個人の問題にもなりますので、理事会決定にしておいたほうがいいでしょう。NPO法人で本格的な事業展開を考えている場合は必ず「理事会決議」にしておきましょう。
事務局の組織や運営の決定権は総会に与えますか? 理事会に与えますか?
事務局の職員の人選や給料の決定権をどちらに与えるかということです。総会決定にすると事務局職員が辞めるたびに総会を招集し、募集をかけたり、給料を決定しなくてはいけなくなるので、この項目も理事会決定がお勧めです。この項目もNPO法人で本格的な事業展開を考えている場合は必ず「理事会決議」にしておきましょう。
理事会決定事項・総会決定事項を表にまとめるとこのようになります。
項 目 | 理事会決定事項 | 総会決定事項 | 備 考 |
定款の変更 | ◎ | 法により総会で決定 | |
解散及び合併 | ◎ | 法により総会で決定 | |
事業計画、収支予算の決定 | ○ | 理事会・総会どちらで決めてもいいが理事会がお勧め | |
事業報告及び収支決算 | ○ | 総会で決定 | |
監事の選任、解任 | ◎ | 法により総会で決定 | |
理事の選任、解任 | ○ | 理事会でも選任できるが所轄庁によっては認めてもらえない。よって総会での決定の方が無難 | |
役員の職務、報酬などの決定 | ○ | 理事会・総会どちらで決めてもいいが理事会がお勧め | |
入会金、会費の額 | ○ | 理事会・総会どちらで決めてもいいが理事会がお勧め | |
借入金等義務の負担、権利放棄の決定 | ○ | 理事会・総会どちらで決めてもいいが理事会がお勧め | |
事務局の組織、運営についての決定 | ○ | 理事会・総会どちらで決めてもいいが理事会がお勧め | |
総会に付議する事項について | ○ | 理事会で決定 |
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NPO法人設立認証を申請するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成しなければなりません。設立認証だけでなく、その後の手続など、とにかくNPO法人を設立するとこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、書類の雛形は、内閣府や都道府県庁に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。
そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。
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行政書士法人甲子園法務総合事務所 代表
【藤井 達弘】
NPO設立・運営支援コンサルタントとして皆様のNPO設立をバックアップいたします。
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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。
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