各役員の就任承諾書及び宣誓書の写しとは?
「私はNPO法人の理事になることを承認すると共に、法律で定められた欠格事項にあてはまる人ではありません。」と誓約するための書面です。書類の作成自体は難しくありません。提出する都道府県によって若干書式が異なってきますので、提出する所轄庁の手引き書にあわせて作成してください。(下の見本は大阪府に提出するものです)
就任承諾書及び誓約書作成のポイント
- 用紙の大きさは、日本工業規格A列4番です。
- 監事の場合は、「理事」を「監事」に置き換えて使用します。
なお、肩書きは「理事長」や「常務理事」でも、この就任承諾書では「理事」と記載します。「理事」「監事」以外の文字は使用できませんので注意。 - 日付欄には、書類を作成した日を記入します。役員は設立総会で選任されることとなっていますので、設立総会の日より前の日付を記載すると無効となってしまいます。よって設立総会日の日付と一致させておくといいでしょう。
- 役員の住所は、役員名簿の記載と同様、住民票通りに記載します。ここでも住所を省略して書かないように注意しましょう。
- 役員のすべての人に書いてもらいましょう。
- 印鑑は認印でOKです。
- 所轄庁にはコピーを提出します。そのため、都道府県によっては設立代表者名の原本証明を添付しなければいけないところもあります。
さて、この就任承諾書及び誓約書の正式名称は「各役員が法第20号各号に該当しないこと及び法第21条の規定に違反しないことを誓約し、並びに就任を承諾する書面」といいます。名称があまりに長いので所轄庁の担当者などは「就任承諾書」と略して使用しています。
法第20条、法第21条について詳しく説明すると、
特定非営利活動促進法第21条
(役員の親族等の排除)
役員のうちには、それぞれの役員について、その配偶者若しくは3親等以内の親族が1人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び3親等以内の親族が役員の総数の3分の1を超えて含まれることになってはならない。
特定非営利活動促進法第20条
(役員の欠格事由)
次の各号のいずれかに該当する者は、特定非営利活動法人の役員になることができない。
- 成年被後見人又は被保佐人
- 破産者で復権を得ないもの
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第31 1条第7項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 暴力団の構成員等
- 第43条の規定により設立の認証を取り消された特定非営利活動法人の解散当時の役員で、設立の認証を取り消された日から2年を経過しない者
刑法についての記載がでてきたので、さらに刑法について詳しく解説しておきます。
以下の刑に処せられてその刑の執行を受けなくなった日から2年を経過していないとNPO法人の役員にはなれません。
- 第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、10年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。 - 第206条(現場助勢)
前二条の犯罪(傷害及び傷害致死)が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。 - 第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。 - 第208条の2(凶器準備集合及び結集)
2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。 - 第222条(脅迫)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。 - 第247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
NPO法人設立認証を申請するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成しなければなりません。設立認証だけでなく、その後の手続など、とにかくNPO法人を設立するとこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、書類の雛形は、内閣府や都道府県庁に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。
そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。
「この人とこの人は親族だけど役員の規定に引っかからないか?」
「役員報酬をもらいたい人が○人いるのだけど・・・」
「会社員だけど役員になれるの?」
「夫婦(親子・兄弟)そろって役員に就任したい」
など役員選任に関する皆様の素朴な疑問に答えさせて頂きます。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。
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行政書士法人甲子園法務総合事務所 代表
【藤井 達弘】
NPO設立・運営支援コンサルタントとして皆様のNPO設立をバックアップいたします。
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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。
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