NPO設立には約5ヶ月間の時間が必要です
〜NPO法人は1ヶ月・2ヶ月では設立できません〜本Webサイトのいたるところに記載していますが、NPO法人の設立は会社と異なり、非常に長い時間を要します。
まず、NPO法人の設立書類が所轄庁に正式受理されると、2ヶ月間の縦覧がはじまります。
この縦覧というのは、「○○という内容のNPO法人設立の申請がでています。一般市民であり、サービスを享受することになる皆さんで内容を確認して、NPO法人にふさわしい団体であるかどうかを確認してください」という制度です。所轄庁(都道府県庁や大都市市役所)に足を運べば誰でも縦覧制度を利用して書類を閲覧することができます。
※特定非営利活動促進法(NPO法)においては、法人の活動が一般市民に広く開かれていることが必要であるため、公告や縦覧及び閲覧を行うこと法律で定められています。設立申請書類の一部(定款、設立趣旨書、役員名簿、事業計画書、収支予算書)はこの制度に基づき、一般市民に広く後悔されることになります。
縦覧期間(一般市民への公開期間)中は、所轄庁の審査は一切行われません。縦覧期間が終了した後に、所轄庁は2ヶ月以内に設立の認証をするか否かを審査することが法律で定められています。
縦覧期間が終了してすぐに審査をしても「法律で定められた2ヶ月以内」ですし、2ヶ月の期間終了間近に審査を行っても「法律で定められた2ヶ月以内」です。
設立を申請した方にとっては「縦覧期間後にすぐに審査をしてほしい」というのが本音だと思いますが、NPO法人の担当部署も「お役所仕事」の体質が結構強く残っているみたいで、一部の所轄庁(滋賀県など)を除きこの2ヶ月間の期間をほぼ丸々使用して審査しています。(中には50日間ぐらいほったらかし状態で、最後の10日間で審査している、と推測できる所轄庁もあります)
よって、所轄庁に設立書類を提出してから、「NPO法人の設立を許可します」という認証が得られるまでに3ヶ月半〜4ヶ月の期間を有します。
※ちなみに滋賀県は縦覧期間終了後20日ほどで設立認証の審査を行ってくれますので、提出書類に不備がなければ書類提出後約80日にてNPO法人設立の認証が得られます。弊社が知る限り日本で最も認証の早い都道府県です。
さて、この3ヶ月半〜4ヶ月という期間は「所轄庁に書類を提出してから認証書が交付されるまでの期間」ですので、設立申請書類の作成期間は含まれていません。
「NPO法人の作り方」のページをご覧いただければ察知していただけると思いますが、1日・2日では作成できる書類の量・内容ではなく、書類作成に慣れた専門家でも通常1ヶ月の期間を要します。他の用事をすべて後回しにして超特急で書類作成に取りかかったとしても2週間はかかります。
また、所轄庁から設立の許可(認証)が出た後に、法務局に登記申請することでNPO法人は正式に設立となるのですが、法務局の登記申請も1日で完了することはほぼあり得ず、通常は登記申請書類を提出してから3〜7日後ぐらいに手続終了となります。この手続が完了して始めてNPO法人の登記簿謄本や法人の印鑑証明書が取得できるようになります。NPO法人名義の銀行口座が開設できるようになるのも、登記手続が完了したこの時点からとなります。
登記簿謄本や印鑑証明書、金融機関口座はビジネスの遂行に必要不可欠なものですので、この時点からNPO法人でのビジネスがスタートとなります。
設立にかかる手続所用期間を合計すると、- 所轄庁への申請書類作成期間:2週間〜1ヶ月
- 所轄庁での縦覧期間:2ヶ月
- 所轄庁での審査期間:1ヶ月半〜2ヶ月
- 法務局での設立登記書類の処理期間:約7日
「時は金なり」という諺があります。
- 時間はお金を払ってでも手に入れたいくらい価値がある、だから有効活用せよ。
- 時間は貴重であり有効なものであるから、無駄に費やしてはいけない。
ビジネスはまさに「時は金なり」です。
『4ヶ月前、5ヶ月前は大ブームだったけど、今は、、、、』
という事例は山ほどあります。
行うビジネスの内容によっては「事業準備に5ヶ月かかる」という期間は、商機を逃してしまうことにもなりかねません。
一般生活に根付いた事業(子育てや介護事業など)ならば、早く事業を立ち上げることに越したことはありませんが、生活スタイルが5ヶ月間で激変するとは考えられず、数ヶ月ぐらいの遅れならばたいした影響は出ないかもしれませんが、一過性のブームに乗る事業を展開する場合は、NPO法人ははっきり言って向かない法人格だと思います。
また、この設立期間中に事情が大きく変わってしまって、事業計画を大きく修正したNPO法人も弊社ではいくつか目にしています。(事業実施予定地域に強大なライバルが出現した・法改正などで事業実施の為の許可取得が困難になった、等)
NPO法人で起業される皆さんは、この「設立にかかる期間」は確実にデメリットとなります。このデメリットが享受できるかどうかをよく検討しから次の行動に移りましょう。
※通常、事業を立ち上げるには下準備が3〜6ヶ月ほど必要です(ホームページの作製や商圏・出店調査、人材の採用や教育、金融機関との融資申請の際の事前協議など)。『事業準備に5ヶ月ほどかかるので、法人設立に5ヶ月かかっても問題ありません。』という計画的な起業家の皆さんならばNPO法人での起業に向いていると言えます。
NPO法人は他の法人(会社など)に比べて非常に手間と時間がかかります。「一般の人がNPO法人を設立するのには8ヶ月から1年かかる」と言われているのも、決定事項の多さ、書類作成の量を見ていただければ納得していただけると思います。
設立認証だけでなく、登記手続やその後の手続など、とにかくNPO法人をつくるとこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、書類の雛形は、所轄庁(都道府県庁や大都市市役所)に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の事業準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。
そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、NPO法人の名称・事業目的の決定・役員選任の際のアドバイスなど「NPO法人設立前の準備段階」から専門家ならではの知識・経験を活かしたコンサルティングを行っており、あなたの事業展開をバックアップしております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、弊社のサービスをご利用ください。
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