Q.NPO法人でスポーツ教室(少年野球・サッカーチーム、体操教室、卓球教室)を運営できますか? また、NPO法人で運営するメリットは何でしょうか?

 
A.オリンピックやワールドカップ等の大きなスポーツの国際大会が開催され、話題になる度に「ある分野」でのNPO法人設立の相談が増えてきます。それは、
などなど「スポーツに関するNPO法人」についての相談が急激に増えるのです。

NPO法人は法律で定められた20分野の活動を主たる目的として活動しなければなりません。

20分野の活動の内容についてはこちらのページにて詳しく説明していますので、ここでの説明は省きますが、この20分野の中に「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」という分野が存在します。よって、営利を第一目標にせず、

ということを主目的に活動すれば「スポーツの振興を図る活動」ということになります。

また、NPO法人の20分野の活動の中には「子どもの健全育成を図る活動」「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」というものもあります。

ということを目標にするならば「子どもの健全育成を図る活動」にあてはまりますし、
と考えて活動を行っていくならば、「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」にもあてはまります。(私も虚弱体質でしたが、小学2年から始めた水泳によって一般人以上に健康になりました)

ここで例に挙げている競技は体操ですが、これらはどのスポーツにもあてはまると思われます。言い換えればスポーツ教室やスポーツ団体は営利を最優先とせず、「スポーツの振興を図りたい」「子供の育成に役立てたい」「体を鍛える場として利用して頂きたい」という理念の元で経営していけばNPO法人で活動できるということです。

 

では法人化によってどの様なメリットが生まれるのか?
NPO法人化のメリットの一般的なものはこちらに書いてありますので参照にしてください。ここではスポーツ団体に的を絞ってメリットを述べていきましょう。

まず、大人数で行うスポーツ(野球・サッカー・ラグビーなど)の団体にお勧めなのが、
「マイクロバスやワゴン車など移動用車両を法人名義で所有できる」
ということです。

任意団体で活動されていると、車の所有は団体名ではできないので、チームの監督やコーチなどの所有物ということになっていました。
ちなみに個人で所有しているといろいろな弊害がでてきます。

  1. 車検代や自動車税などの税金は誰が負担するのか?
  2. 自賠責保険や任意保険の保険料は誰が払うのか?
  3. 駐車場代は誰が払うのか?
  4. 誰が洗車・掃除するのか?
  5. 壊れたら誰が修理するのか?
  6. 車の所有者が何らかの理由(転勤など)でチームを離れるとき、名義変更はどうする?
などなど。

個人で所有していても、100%チームのために利用されているならば、名義変更ぐらいしか問題にはなりませんが、自分が借りている駐車場に自分名義の車が置いてあると、人間という生き物は意志が弱いもので、どうしても「私用」でその車を使ってしまいます。そうなってしまうと、

という意見が必ず出てきて問題になります。

法人名義で車を所有し、法人名義で駐車場を借りていたならば、個人の財産と完全に分離されますので、そういったことは発生しにくくなります。

「うちはお金ないし、車なんて所有していないから関係ないや」
そう思われている方はいませんか?
NPO法人になると「ウラ技的」な方法で車を購入することも可能です。
で、ウラ技とは何か?
寄付金を募り、その寄付金で購入するのです。

少年野球チームやサッカーチームに所属したことがある人ならばわかると思いますが、移動用の車両があると大変便利です。試合など遠征を行う際に行動エリアがグンと広がります。グランド等試合会場は駅やバス停近くにあるとは限りませんからね。

寄付金を集める行為自体は任意団体でも可能です。
ただし、任意団体への寄付は「代表者個人への寄付」ということになり、寄付金の金額が総額110万円を超えてくると、「贈与税」を支払わなければならなくなります。せっかく集めたお金の1割以上が税金として取られてしまうわけです。これは非常にもったいない。

また、代表者個人への寄付となると、寄付する立場の人も「本当に車両の購入に使われるのだろうか」と怪しみます。

など疑い出すとキリがありません。こういった理由から任意団体には寄付金があまり集まらないのです。

その点、NPO法人だと、お金の出し入れは帳簿にきちんと記録されますし、あの寄付金は何に使われているのか?と情報公開を請求することも可能です(役所に毎年収支計算書や財産目録を提出する義務がありますので強制的に情報公開させられています)。万が一理事の飲み食いや生活費に使われているならば、その理事に責任追及することもできます。

このようにNPO法人は情報がオープンになるので、「いくら寄付金を集め、何に使われたのか」を寄付する者がきちんと知ることができるので、寄付金も任意団体より簡単に大きい金額を集めることができるのです。しかもNPO法人への寄付金は、集めたお金が法人の設立趣旨・活動内容に該当する17分野の目的達成のために使用されるならば贈与税などの税金は一切かかりません。
スポーツ教室を運営しているならば、「スポーツの振興」「スポーツを通じた子供の健全育成」「スポーツを通じた心身の健康維持」といった活動に使用されている限り、税金がかけられないのです。

では誰から寄付金を集めるのか? 寄付金をポンと出してくれる金持ちはオレの知り合いにはいないぞ、 と考えているアナタ。アナタの周りにたくさんいますよ。気付いていないだけです。
誰かって?
考えてみてください。アナタのことをよく知っている人達です。
そうです。このチームを巣立っていったOBの方達です。
チーム(教室)を10年以上続けられているならば、活動を始めた頃の初期の子供達は成人してそれぞれ定職に就いていることでしょう。
そういった人達に1万円ずつでもいいですので寄付の話を持ちかけてみてください。

皆さんそのスポーツが好きだったはずです。チームにもいろいろな思い出があるでしょう。そのチームが大きく飛躍しようとしているときです。1万円ぐらいの寄付ならば熱意を持って話を持っていけば皆さん出してくれるのではないでしょうか。
後援会員という会員を作り、OBを中心に会員を募り、毎年5000円、1万円ずつ
集めていくのもいいでしょう。
一口1万円でも100人に話を持ちかけ、100口集まれば100万円。中古のワゴン車ならば買えますよ。
 
車に限らず、野球チームなら打撃練習マシン、サッカーチームならばサッカーゴールなどちょっと高価な設備を購入するときにも使えます(保管場所を確保してから購入してください)。

 
 
団体名(法人名)で金融機関の口座を開設できる

法人格を取得すると法人名で金融機関に預金口座を持つことができます。このメリットが欲しくてNPO法人の設立を考えていらっしゃる団体も多いです。
任意団体でも預金口座を持つことはできます。ただし、口座名は、

というように団体名の後ろに代表者などの個人名が入るのが普通です。

この預金口座は法律上誰のものかというと「西宮少年野球チーム」のものではなく、代表者である「藤井達弘」のものとなります。代表者である藤井達弘が「西宮少年野球チーム」の為に使用していればそれでも何の問題もないのですが、ある日突然交通事故で急死してしまったとしましょう。

そうなると、この「西宮少年野球チーム 代表藤井達弘」という口座に預けられている財産は、藤井達弘個人のものとして、藤井達弘の身内の相続人に相続されていきます。本来の持ち主である「西宮少年野球チーム」には1円も引き継がれないのです。入金額が5万、10万ならばそれでもいいとは思いますが、永年こつこつと貯めてきた会費数十万円、数百万円といった金銭が藤井達弘の身内に相続されてしまい、チームに1円も残されないということが発生してしまうのです。

また、法人名で口座を持つということはお金(会費)の管理者である自分の身を守るということにもなります。任意団体で運営していると、どうしても収入・支出の勘定が「どんぶり勘定」になりがちです。まあ、法律に基づいてきちんと会計処理をしなければならない、という決まりがないのでしょうがないといえばそれまでですが。

しかし、NPO法人として法人格を取得したならば、きちんと法律に基づき会計処理していかなければなりませんし、毎年所轄庁に事業報告書・収支計算書・財産目録などを提出しなければなりません。これらの書類は所轄庁で一般に縦覧させられます。言い換えると、この団体は、会費をいくら集め、どんなことに使用し、今現在どれだけ財産を持っているのか、ということが一目でわかるようになっているのです。「毎月集めている会費はきちんと運営に使われているのだろうか?」と疑われることはなくなるのです。

規模が大きくなってくると、NPO法人の法人格の取得を考えるスポーツ団体が増えてくるのは、このメリットがあるからだと思われます。

 
 
組織を永続的に維持できる

上でも説明していますが、任意団体では代表者が管理している財産は、法律上代表者個人のものとなってしまいますので、代表者本人の死亡によりその財産は全て民法の規定に沿った処理が行われます。したがって、その任意団体の財産は全て代表者の親族が相続し、本来の持ち主である任意団体に帰属しませんので、その任意団体は自然と消滅してしまいます。

実際のところ、代表者本人が死亡し、それと共に団体が消滅するという事例は希ですが(人間そんな簡単には亡くなりません)、代表者が高齢になり、体力的に活動できなくなり、チームが消滅するという事例は多々起きています。

実際に私が通った小学校の校区には20年前6つの少年野球チームがありましたが、現在活動しているのは1つだけです。少子化の影響もあると思いますが、私の住む地域の小学生の数が1/6になったわけではありません。代表者の高齢化の影響もかなりあると思います(私が小学生の時の50歳の監督ならば現在70歳ですからね)。「任意団体=代表者のもの」という事になりますので、代表者が辞めてしまうと、その団体を引き継ぎ、運営していくということが難しいのです。

その点、NPO法人ならば最低でも理事が3人存在しています。一人が理事長(代表者)としてチームを引っ張り続けている間、後の2人は代表者のそばで「将来の代表者候補」として、チーム運営を学んでいくことができるのです。いきなり「代表者として頑張ってくれ」とバトンを渡されるのではなく、徐々に権限を委譲していくことも可能です。

また、任意団体だと、あらゆる契約が「代表者の個人契約」ということになり、代表者が代わったりしたときなどに契約の名義の変更が大変でしたが、法人名で契約していると、法人の理事長などが変更したとしても、契約を更新し直す必要はありません。

「契約の引継が面倒」ということで、多くの任意団体が代表者が代わると自然消滅してしまっていましたが、NPO法人格を取得することによって、団体をより永く存続させることが容易になります。

子供を預ける保護者の立場から見ても、いつ活動を辞めてしまうかわからない任意団体よりも、永続的に活動していくことができる法人組織に預ける方が安心できます。
法人化を生徒・選手集めの際のウリにしてみてはどうですか?

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NPO法人設立手続は甲子園法務総合事務所にお任せ下さい

 本Webサイトにて設立の流れを説明して参りましたが、NPO法人は他の法人(会社など)に比べて非常に手間と時間がかかります。「一般の人がNPO法人を設立するのには8ヶ月から1年かかる」と言われているのも、上記の決定事項の多さ、書類作成の量を見ていただければ納得していただけると思います。
 設立認証だけでなく、登記手続やその後の手続など、とにかくNPO法人をつくるとこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、書類の雛形は、内閣府や都道府県庁に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。

 そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、弊社のサービスをご利用ください。

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などの「運営マメ情報」的なことから、
  ・NPO法人なんでもQ&A
に記載しているような活動の際に発生する素朴な疑問・不明点。さらには、
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NPO法人は会社や他の法人と比べると設立する費用がホントに少なくて済むのですが、当然のことながら運営していくにはお金が必要になってきます。非営利活動を行う法人であっても、活動資金を獲得し、より大きく活発に活動を継続していくには、利益を追求する会社などと同様の視点が求められます。

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