Q.NPO法人でパソコン教室は運営できますか?
A.結論から申し上げると可能です。
まず、NPO法人を設立するには、
- NPO法人の主たる目的・事業内容が法律で定めた17分野の活動のうちのどれかに該当する
- 活動内容が『公益の増進』に役立っている
- 「利益追求型」の事業展開ではなく「社会的使命を果たすため」に活動する
- 特定の個人・グループ・法人のみを活動の対象としない
パソコン教室をNPO法人にて運営する場合、「1」の要件に関しては、
- 社会教育の推進を図る活動
(「生涯教育」など学校教育以外の習い事、知識の教授の推進活動です) - 情報化社会の発展を図る活動
(インターネットなど新しい情報通信技術手段の活用を図る活動です) - 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
(実務に役立つ資格の取得を支援する活動や就労を希望する人への就労支援など)
「女性の社会進出を促進する・支援する、という目的で女性をターゲットにしてパソコン教室を運営していきます」
ということであれば、『男女共同参画社会の形成の促進を図る活動』にもあてはまってくるでしょう。
よって、パソコン教室を行うにあたっては、『1』の要件に関してはクリアできます。
「2」の要件に関しても、「1」の要件に当てはめて活動する限り、問題はありません。
「3」「4」に関しては、運営される方の意志次第で変わってくる項目です。
「1」「2」にあてはまるように心がけて運営していただければ通常は該当することはないでしょう。
以上より、NPO法人にてパソコン教室を運営していくことは、設立趣旨・活動内容の面では大きな支障になるところはありません。その他の要件(人的要件など)を揃え、役所の基準を満たした書類を提出することができればNPO法人の設立は可能になります。
NPO法人には
正会員が10名以上必要
NPO法人の役員として理事が3名以上、監事が1名以上必要
という要件が定められています。
NPO法人の正会員は
「この法人の趣旨に賛同して入会してくれた個人及び団体」
と定められています。
言い換えると活動趣旨・設立趣旨に賛同してくださる方が最低でも10名は必要ということになります。
なお、「正会員=従業員」ではありませんので、実際に職務に従事される方が10名必要というわけではありません。
「趣旨に賛同して入会したが、業務には携わらない。活動には参加しない」という方がいてもOKです。
もちろん、理事や監事をこの正会員の中から選んでいただいても構いません。
(通常、これら法人の役員は設立趣旨・活動趣旨に賛同してくださった方から選ぶことになりますので、自然と正会員と法人役員は重複します)
NPO法人の理事は、会社でいえば取締役にあたる重要な人のことです。
NPO法人がどの様な活動をしていくのかを意思決定していく立場の人になります。
監事は会社でいえば監査役にあたる人です。
NPO法人の財産が不正に使用されていないか監視する、NPOの理事が違法なこと(設立趣旨や活動内容に反すること)をしていないかを監視する人になります。
どちらの役職も法人運営には欠かせない人なので、「名前だけを借りる」のではなく、活動趣旨にきちんと賛同し、「一緒に活動していこう」と同意してくれた人になってもらってください。
2つの人的要件を見てもらえればわかるように、どちらかというとNPO法人は「自分一人で活動していきたい」「自分が中心となってワンマン経営(活動)をしたい」という方には向きません。
また、NPO法人は株式会社や有限会社のように
- 出資金額(支払った会費の額や寄付金の額)に応じた議決権が正会員に与えられる
- 正会員一人に一票ずつ議決権が与えられる。支払った会費・寄付金の額は関係なし
一人一票ですので、事業規模が大きくなり、様々な思惑が絡んでくるとそれぞれ自分の意見を主張するようになり、非常に運営(意思決定)がしにくくなります。
パソコン教室の運営は趣旨的にはNPO法人の設立は可能ですが、事業規模が大きくなる場合や自分が中心になって運営していきたい方は株式会社等の会社で運営された方が良いかもしれません。
本Webサイトにて設立の流れを説明して参りましたが、NPO法人は他の法人(会社など)に比べて非常に手間と時間がかかります。「一般の人がNPO法人を設立するのには8ヶ月から1年かかる」と言われているのも、上記の決定事項の多さ、書類作成の量を見ていただければ納得していただけると思います。
設立認証だけでなく、登記手続やその後の手続など、とにかくNPO法人をつくるとこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、書類の雛形は、内閣府や都道府県庁に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。
そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、弊社のサービスをご利用ください。
必見! NPO設立を専門家に依頼するメリットは?NPO法人設立後の経営・運営サポートもお任せ下さい
本サイトにて説明しているような、
・法務局での各種証明書の取得
・銀行口座の開設
・法人クレジットカードの取得
などの「運営マメ情報」的なことから、
・NPO法人の経理代行
・法人設立時の税務関連届出や毎年の税務申告
・所轄庁への活動報告
といった「NPO法人制度にて定められた諸手続」まで、甲子園法務総合事務所では提携税理士事務所・社会保険労務士事務所と協力して、あなたのNPO法人運営をサポートしております。
NPO法人は会社や他の法人と比べると設立する費用がホントに少なくて済むのですが、当然のことながら運営していくにはお金が必要になってきます。非営利活動を行う法人であっても、活動資金を獲得し、より大きく活発に活動を継続していくには、利益を追求する会社などと同様の視点が求められます。
弊社が会社設立・NPO法人設立、経営サポートを通じて得てきた知識と経験を、ぜひともみなさまのNPO法人でもお役立てください。
必見! NPO設立を専門家に依頼するメリットは?・NPO設立費用・価格表
・NPO設立依頼はこちら
・NPO設立無料相談はこちら
・依頼に関するQ&A
・NPO法人用印鑑販売
・NPO法人17分野の活動
・NPO法人のメリット
・NPO法人のデメリット
・NPO法人設立で失敗しない為に
皆様からよくいただく質問をまとめました
・NPO法人で起業・独立する際のメリット・デメリット
・NPO法人の利用方法
・失敗しないNPO起業マニュアル
社長になりたい方必見!
行政書士法人甲子園法務総合事務所 代表
【藤井 達弘】
NPO設立・運営支援コンサルタントとして皆様のNPO設立をバックアップいたします。
詳細プロフィールはこちら
日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。
マスコミ取材、講演・執筆のご依頼はこちらから