Q.今、私が不安に思っているのは、私や知人が役員をしてNPOを設立し活動が軌道に乗ったところで、見ず知らずの社員から理事や監事の解任をされたりするのかな?という疑問です。
株式会社だったら、発行できる株式の数とか、株の譲渡制限とかで乗っ取られたりしないらしい。と聞いたのですが、NPOだと、もしかしたら乗っ取られたしするのでしょうか?
A.NPO法人の経営者である役員(理事・監事)は、
- 総会での議決にて選任される
- 理事会での議決にて選任される
よって、役員の選任機関である総会や理事会を何らかの形でコントロールすることができるならば、自分たちに都合がよい役員を経営陣として送り込み、法人運営そのものを支配してしまうことが可能といえます。
NPO法人は、- 「●●が問題になっているので私たちは△△の活動を行うことによりその問題を解決し、◎◎の分野にて公益の増進に寄与します」
所轄庁は、この趣旨に基づいて活動が行われているならば、
- 定款で定められた方法にて適切に役員が選任され、
- その役員が欠格条件にあてはまっていない
この考え方に基づくならば、運営側(役員)を追い出されてしまった人にとっては、「乗っ取り」といえるかもしれませんが、「乗っ取り」という言葉が存在しない法人形態ともいえます。法人の活動によって利益を享受することができる一般市民にとっては、誰が経営者であっても、きちんと活動されていれば問題ないのですから。
ただし、介護事業や語学教室、託児所など事業性の高い「事業型NPO法人」を運営して、
・自分たちの生活費もそのNPO法人から得ている、
・NPO法人自体に役員がお金を貸している、
ということになってくると、「だから経営権をとられてしまってもしょうがないんだ」なんかいってられませんので、何らかの対策を講じる必要がでてきます。
100%経営権の異動を阻止する、ということは不可能ですが(それが可能なNPO法人は、もはやNPO法人とは呼べません。単なる会社です)、通常の状態よりは経営権を奪取されにくい法人体制を整えておく必要があります。
思い浮かぶ対策としては、- 理事の選任は総会ではなく、理事会にて行えるよう定款を作成する
- 議決権を持つ正会員をできる限り増やさないよう運営していく
正会員数数千人、というような大規模NPO法人は別として、正会員数10〜20名という小規模NPO法人は、「理事会と総会どちらがコントロールしやすいか?」となれば、総会の方がコントロールしやすくなります。会員の過半数の議決権を手に入れてしまえば済む話ですので。
よって、小規模NPO法人は、理事会にて理事を選任できるようにしておきましょう。
当然、理事会にて議決権を持つ理事は信頼できる人物にお願いすることが必要です。役員の人数は親族に関する規定がありますので、一緒に事業を行っている方が適任だと思われます。
議決権を持つ正会員の人数も自分の目が行き届く範囲内で抑えておく方が無難でしょう。正会員の入会制限を行うことはNPO法人の場合、非常に難しいですが、実際のところ「募集していること」を公表していない限り、入会希望者はほとんど現れません。
本Webサイトにて設立の流れを説明して参りましたが、NPO法人は他の法人(会社など)に比べて非常に手間と時間がかかります。「一般の人がNPO法人を設立するのには8ヶ月から1年かかる」と言われているのも、上記の決定事項の多さ、書類作成の量を見ていただければ納得していただけると思います。
設立認証だけでなく、登記手続やその後の手続など、とにかくNPO法人をつくるとこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、書類の雛形は、内閣府や都道府県庁に「NPO法人の手引き書下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりはっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと設立が認められたNPO法人というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「NPO法人を作ること」が目的ではないはずです。NPO法人で事業を興すこと・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? NPO法人の申請に時間をかけるならば、設立後の活動準備に時間をかけた方が設立者・そしてそのサービスを受ける消費者にとっても利益となると思われます。
そこで、弊事務所では、申請書類の認証申請手続きはもちろん、設立後の届出、法務アドバイス、記帳会計代行など設立代表者様の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、NPO法人は設立後も様々な書類を提出しなければいけません。所轄庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、弊社のサービスをご利用ください。
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本サイトにて説明しているような、
・法務局での各種証明書の取得
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などの「運営マメ情報」的なことから、
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に記載しているような活動の際に発生する素朴な疑問・不明点。さらには、
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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
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